こんにちは!
今回は日常のちょっと引っかかることを書いてみました。
ネットの記事やSNSを見ていると、「上司に苔にされた」「あの態度は苔にしている」といった書き込みを時々見かけます。
「あれ? コケにするのコケって、あの緑色の植物の『苔』だっけ…?」
そう違和感を覚えたので、調べてみました。実はこれ、現代のネット社会で非常に多く見られる言葉の誤用(間違い)。
今回は、意外と知られていない「コケにする」の正しい漢字と、その驚きの由来について解説します!

■ 「コケにする」を正しく漢字で書くと?
結論から言うと、植物の「苔」は1ミリも関係ありません。正しい漢字表記は「虚仮(こけ)にする」です。
文字通り、人を「愚か者扱いする」「見くびる」「馬鹿にする」という意味の慣用句ですが、では一体、この「虚仮」という言葉はどこから来たのでしょうか?
■ 由来は1500年以上前の「仏教用語」
「虚仮(こけ)」という言葉のルーツは、実は仏教の教えにあります。
漢字を分解して意味を紐解いてみると、その本質がよく見えてきます。
つまり虚仮とは、「実質がなく、うわべばかりで中身が伴っていないこと」を指す言葉なのです。
仏教の世界では、私たちが生きるこの世のすべては無常であり、絶対的なものなどないという意味で「世間虚仮(せけんこけ)」という言葉も使われます(聖徳太子の言葉としても有名だそうです💦)。
■ なぜ「馬鹿にする」という意味になったの?
もともとは「中身がない」「偽り」という意味だった仏教用語の「虚仮」ですが、時代が経つにつれて人間の性質を表すようになり、「思慮が浅いこと」「愚かなこと」、またそういう人物そのものを指すようになりました。
そこから、相手を愚か者として扱うことを「虚仮にする」と言うようになり、さらに心が狭く意気地がない様子を「虚仮威し(こけおどし)」、バカを見て面目を失うことを「虚仮にする(虚仮にされる)」と表現するようになったのです。
■ 植物の「苔」にとっては大迷惑なとばっちり
ネット上の辞書や解説サイトの中には、「虚仮」の意味を正しく説明しているにもかかわらず、例文に「苔にする」と誤った漢字をそのまま掲載してしまっているケースも散見されます。それほど世間に誤用が浸透してしまっているのです。
「地面に生えていて、みんなに踏みつけられる地味な植物だから『苔にする』と言うんだろう」
そんな風に勘違いされ、勝手に「馬鹿にされる植物の代名詞」にされてしまった植物の苔。しかし、実際の苔は、踏みつけられて黙っているようなヤワな存在ではありません。
次回からは、そんな「コケにされがちだけど、実はものすごいポテンシャルを秘めた植物の苔」の真実の実力について、一部を紹介していきたいと思います。
これを読んで、「コケにする」を使うときは、「コケ」「こけ」「虚仮」を使って、間違っても「苔」は使わないでくださいね。1人でも多くの人に知ってもらえたらいいな。もっと言えば、こういう言葉を使わなくていい世界が望ましい。
<予告>
「コケにされがちだけど、実はものすごいポテンシャルを秘めた植物の苔」
第1回:地球を救う緑のスポンジ!苔が持つ「抗菌・防腐作用」と驚異の「環境能力」
第2回:月や火星のパイオニアへ!苔の「宇宙実験」と最先端「バイオ工場」の未来
第3回:本物の「MOSSバーガー」誕生⁉クレイジーで奥深い「苔を食べる」挑戦者たち
おまけ:マツタケの香りがする驚異の苔「ジャゴケ」のディープな世界
お楽しみに〜🎶
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
書いた人
るみねん|苔テラリウム作家 / MOSS KOBE
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